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コラム

プロセスを見える化するためのツール

 前回のコラム(コラムNo.96 プロセスをまとめる4つのステップ) では、「標準プロセスをまとめるための4つのステップ」について説明しました。プロセスを標準化・見える化するためには、個々の標準プロセスのポイント = 「やるべきこと」の詳細を共有しやすくするためにツール(資料)にまとめることも必要になります。

 そこで、フリクレアでは、こういったノウハウの詳細を、「プロセスシート」と「標準プロセスの手引き」をセットにした“見える化ツール”(標準プロセス資料とも言います)という独自のツール(資料)にまとめます。

 できる営業の勝ちパターン・ノウハウを体系的にまとめた見える化ツールは、人財育成(人材育成)や営業力強化の「基本の型」になります。組織での情報共有を通して、業績向上を目指すための「営業プロセスの虎の巻」としての役割も果たします。

(図)見える化ツール

プロセスを見える化するためのツール

 見える化ツールについて、もう少し補足しておきましょう。

 まず、「プロセスシート」は仕事のプロセス全体像を一枚にまとめた俯瞰図です。俯瞰図なので、パッとみて全体像がわかるようにA3あるいはA4判の一枚にまとめます。プロセスシートの最大のメリットは、複雑な業務の内容を誰でも直感的にわかりやすく“1枚のシート”で業務プロセスを見える化することができるという点です。

 

 そして、「標準プロセスの手引き」は、プロセスシートでまとめた標準プロセスの注意すべきポイントや補足説明をまとめた小冊子です。(略して、“手引き”ともいいます)。

 標準プロセスを実行する際に徹底してもらいたい注意点や、マニュアルには書いてない肝心のポイントを、長くなりすぎないよう数行程度で記載。OJTで上司・先輩から部下・後輩に口頭で教えていることを、小冊子の形で明文化・形式知化します。

 手引きは成果に結びつきやすいできる営業のノウハウを実践的な言葉でわかりやすくしたエッセンスの固まりです。人事的な言い方をすると進化したコンピテンシーモデルという呼び方もできます。忙しい現場の社員も読んでもらえるように、誰でもわかるようなどうでもよいことはわざわざ記載しません。

 「分厚いマニュアルは読まれずに、机の中にしまわれてしまう」という残念な法則があるので、ページ数もあまり多くならないように10~20ページにコンパクトにするのがおすすめです。思わず読んで参考にしたくなるような重要なポイントだけに絞って作成するのがコツです。

 

 このようにして標準プロセスのエッセンスをまとめた見える化ツールは、「できる営業 = トップセールスのやり方」を見えるようにした「勝ちパターンの基本型」(真似するお手本)になります。

 勝ちパターンの基本型は、できる営業が結果を出すために行っている行動パターン = 属人化していて他人にはわかりにくい営業ノウハウの固まりであり、組織の宝ともいえるものです。この宝を組織的な営業力強化に活かさない手はありません。組織のメンバーで共有しながら、他の意見も取り入れ、秘伝のタレのように磨いてより次元の高いものにしていくのが正しい“知の資産運用法”です。

 

 現在の厳しいビジネス環境では、狭い料簡にとらわれて仲間内でノウハウを出し惜しみ、低い次元で社内競争をしている場合ではありません。その間に、競合も虎視眈々と顧客奪取やシェア拡大を狙っているのです。社内競争より他社に負けるデメリットの方が、ダメージが大きいのは考えるまでもないでしょう。 

 

 見える化ツール(プロセスシート + 標準プロセスの手引き)の詳細については、『営業プロセス見える化マネジメント』の第2章 見える化のツールをご参照ください。


(2019年07月25日)

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