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コラム

「営業はプロセスがすべて」が新しい常識!

 

前回は「結果がすべて」は誤った常識にすぎないということをお伝えしました。しかし、誤りを指摘するだけでは何も変わらないので、今回は誤った常識に対するアンチテーゼを示しましょう。

本当は 営業は「プロセスがすべて」なのです。今の時代の新しい常識は、「結果をコンスタントに出すためには、結果を出すためのプロセスを明らかにして、それがちゃんとできているかを見える化していくのが当たり前!」なのです。

 と、突然言われても、反対する人が多いかもしれません。特に、前回指摘した“結果がすべて教”に染まっている人は、最初は大いに違和感を覚えるはずです。「とはいっても、やっぱり結果だよ・・・」という、あきらめにも近い暗い声が聞こえてくるような気がします。

 

 そこで、図を使いながら、その理由を解説してみることにします。この図は、「見える結果」と「見えないプロセス」の因果関係を氷山に例えたものです。「氷山モデル」と言います。

 

【図】「見える結果・見えないプロセス」

「営業はプロセスがすべて」が新しい常識!

 

「受注」や「売上」などは、数字でわかりやすいので誰にでも見えます。氷山でいうと水面上に出ている部分ですね。

一方、その結果を出すために必要な「ヒアリング」や「提案」などのプロセスは、普通はあまり数値化されていないので見えにくくなっています。しかし、この水面下の部分には、目に見える水面上の何倍もの氷、すなわち、結果を出すためにやらなければならないプロセスが隠れているのです。 

 

少し考えれば子供でもわかると思いますが、やるべきことをやらずに、結果が出るはずがありません。ただ、言うだけでは全員はやってくれないので、システムで見える化して、ちゃんとやっているかどうかを確認する。やっていなければ正していく。こういった地道なことが、継続的な業績アップのためには大切になってくるわけです。 

 

常に結果を出し続けている「できる営業」は、結果にしか興味がない人にはわからず見えなくても、氷山の水面下にある「やるべきこと = プロセス」を淡々とやっているのです。その隠れた事実に目を向けなければ、更なる飛躍は望めません。 

 

だから、「営業はプロセスがすべて」なのです。今の営業マネジメントは、SFA/CRMなどの営業支援システムをうまく活用して、プロセスを見えるようにし、どうやって業績アップを図るかを科学的に考える」という、次のステージに入っています。

 

 氷山モデルは直感的でわかりやすいので、プロセスの見える化を説明する時によく使っています。「結果かプロセスか」という二項対立のような話ではなく、このような例えで説明すれば、大体の方には理解してもらえるようです。「業績アップという結果は、“結果を出すための正しいプロセス”の延長線上にしかない」ということを。

 さらに、お気づきになっている方もいると思います。営業をマネジメントするための人事評価においても、目先の結果にしか目を向けない「目先の結果主義=誤った成果主義」はすでに限界であるということを。

 

では、いったいこれからはどういった方向に進むべきなのでしょうか。ひとつの有望な答えが「プロセス見える化を人事評価で支えていく“プロセス主義®です。継続して結果を出し業績アップを続けていくためには、常に結果を出し続ける「できる営業」が行っているプロセスを標準化・見える化して、社内で共有し、人財育成を図りながら、本気で徹底するように人事評価でもプロセスを見ていく。それがプロセス主義®です。

 

 ところが、プロセスの見える化までは指摘されても、結果を出すための前段階であるプロセスの徹底を支えるための人事評価については、ほとんど指摘されることはありません。あまり知られていませんが、「人事評価のアンマッチ」という問題です。

 

例えば、プロセス見える化を導入しようとして、経営者や営業リーダーがいくら「プロセスが大切に」と唱えても、人事評価が従来通り〝結果の数字〟しか見ていない場合、営業にとっては面倒くさいことが増えるだけで、何のメリットもありません。メリットがなければ、真面目に取り組もうとする社員が少ないのは当然です。

そのため、本来の意図が理解されずに、「また、上が変なことを言い出したよ・・・、忙しいから適当にやっておこう」くらいにしかとってもらえず、失敗につながるケースも出てきます。

 

だから、人事評価でもプロセスの見える化を支えなければならないのです。ただ、人事評価の大切さを強調するだけでは片手落ちなので、具体的な対応策のヒントにもふれておきます。それが、「プロセスの標準化・見える化」と「プロセス評価」をドッキングさせた“進化したプロセス評価®という、フリクレアが提唱している独自の評価制度です。 

 

進化したプロセス評価の詳細については、また回を改めてご説明したいと思います。早く知りたいという方には、2月のメルマガ「■今月のお知らせ」で、プロセス評価の本のプレゼントを記載していますので、メール本文の下の方をご覧ください。

 

今回も最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

 

()フリクレア 代表取締役

山田和裕


(2020年02月25日)

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