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コラム

プロセスをまとめる4つのステップ

 

 フリクレアが考えるプロセスとは、「業績アップや業務効率改善のために必要だと会社が認めた“標準プロセス”」のことです。一方、各社員が自分勝手に「自分はがんばっていると考えているだけで、会社が正式に認めていないプロセス」は標準プロセスとは見なしません。

 それでは、具体的にどうやってプロセスを整理し標準化するのか。「標準プロセスをまとめる4つのステップ」(以下“4つのステップ”)を、順を追って説明しましょう。

 簡単にいうと4つのステップは、「Step①目的を決める → Step②進捗を決める → Step③活動を決める → Step④ やるべきことを書く」、という手順をたどります。

 そして、4つのステップを図にすると、下の図のようになります。(尚、プロセスをまとめる前に必要な「できる営業を選ぶ」過程をステップ?としています。「できる営業」についても掘り下げたい方は、コラムNo.85 “できる営業”の定義 および コラムNo.95 できる営業の選び方 を参照してください)

 

【図】 プロセスをまとめる4つのステップ

プロセスをまとめる4つのステップ

 

それではステップ①から説明していきましょう。

 

 ステップ① 目的を決める

 プロセスの整理を行う前に、「何のためにプロセスを標準化するのか」という目的を明確にします。理由は、目的によってプロセスのまとめ方が変わってくるからです。深堀して強調するプロセスも違ってきます。

 例えば、「業績アップのために提案力を強化する」という目的であれば、〝ヒアリング〟や〝提案プレゼン〟のプロセスが強調されます。

 あまりおすすめできないのが、「不祥事を起こさないように内部統制を強化する」というような管理的な目的です。管理的な目的を設定してしまうと、〝事務作業〟や〝書類の回し方〟といった社内作業的な部分が強調されます。

 その結果、顧客と接する社外での有効営業時間が減り、社内での作業の負荷が増えるため、成果を出す妨げになってしまうのです。場合によっては、業績をよくしろとはっぱをかけながら、成果には結びつかない社内業務を奨励するような矛盾、本末転倒を引き起こしたりします。

 また、目的を明確にしておかないと現場が混乱します。プロセスを整理する意図が正しく伝わらないと、現場は進んで協力してくれません。あるいは、プロセスをまとめ始めるとその先にある細かいところまで気づくようになるため、本来の目的から脱線して枝葉の論議に陥りやすくなります。

 目的が大切と言ってもあまりピンとこないかもしれませんが、適切な目的の設定が、プロセス標準化~見える化が成功するか否かの鍵を握ります。目的が最終ゴールに迷わずに到達するための道標なのです。

 

 ステップ② 進捗を決める

 次は「進捗」です。進捗は、①顧客が商品やサービス購入を検討する際の、検討状況の進捗、あるいは、②受注など、自社のゴールを達成するための進捗です。

 進捗はプロセスをまとめる上での大切な時間軸となります。進捗がないと、このあと説明する「活動」や「やるべきこと」が頭の中でごっちゃになり、まとめにくくなります。

 

 ステップ③ 活動を決める

 3番目は「活動」です。まず「活動(社外)」は進捗を進めるために、顧客に対して行う活動を意味します。また、組織で働くには社内でやらなければならない活動も当然あるので、「活動(社内)」も定義します。

 成果を上げるためには顧客接点、すなわち社外の活動をできるだけ増やさなければなりません。フリクレアでは、社内での活動より、成果を上げる社外の活動にできるだけ多くの時間を割くべきと考えているので、優先順位を自然に意識してもらうために、活動(社外)を活動(社内)より意図的に上位に位置づけるように工夫しています。

 活動は社外と社内の2つの活動に分けるのが、フリクレア独自のノウハウです。

 

 ステップ④ やるべきことを明確にする

 最後に【やるべきこと】を明確にします。やるべきことは進捗や活動に応じて、上司や担当者が気をつけなければならない、組織で共有したいチェック事項、ポイントやノウハウです。ステップ③で整理した活動(社外)にひもづける形で、徹底・強調したいポイントやノウハウをまとめます。

 実際にプロセスをまとめる手順は複雑なので、本当は実際のサンプルなどを見てもらいながら説明するのがベストなのですが、コラムの中ですべてを説明しつくすには限界があります。

 さらに詳しくお知りになりたい方は、拙著『営業プロセス見える化マネジメント』の第4章 プロセスをまとめる4つのステップ (P68-106)に詳述していますので、ご興味あればそちらにも目を通していただければと思います。


(2019年06月25日)

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