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コラム

業績の差はプロセスにあり

 「結果だけを見て、途中のプロセスは問わない」やり方でも、経済が右肩上がりであった時代まではやっていけました。しかし、バブル崩壊以降は経営環境が激変してしまいました。

 日本だけでなくグローバルなビジネス環境の変化によって、同じ業界・業種であってもそれまでの横並びではなく、勝ち組と負け組の差がはっきり分かれてくるようになったのです。また、一時期は調子がよくても、少し油断しているとあっという間に逆転されてしまうようなことも起こるようになりました。

 例えば、「ウォークマン」などのヒット商品を世に送り出して世界的ブランドに成長したソニーも、近年はソニーらしい独自性のあるヒット商品をつくり出すことができずにいます。世界中で大ヒットした「iPod」は、本来ならソニーが得意とするような商品であるにもかかわらず、アップルの後塵を拝してしまいました。ソニーはまだ低迷から抜け出せないままです。

 一方、パナソニック(旧・松下電器産業)は一時業績不振の時期が続きましたが、中村体制のもと松下幸之助イズムの呪縛から逃れ、企業体質の改善・改革を進めて復活したのはご記憶の通りです。

 こうした例を見れば、大企業であっても一時も油断は許されない。あるいは、一時は負け組になったとしても、本気で改革・改善を着実に行っていけば、再逆転のチャンスがあるということが証明されているのです。

 企業の業績に差が出てくる理由には様々なことがありますが、その原因の一つとしてあげられるのが「プロセスの問題」です。これまで社員の属人的なやり方に任せて、結果だけしか見ていなかった会社は、めまぐるしく変わる経済などの環境変化についていけず、業績が立ち行かなくなっています。一方、プロセスを見える化し、継続的に改善している会社は、業績を着実に向上させているのです。

 結果だけに一喜一憂し感覚で対応するのでは、もはや現在のビジネスの場においては戦えません。競合と戦って勝ち残っていくためには、「結果がすべてだ! プロセスはどうでもいい」という古い考え方から脱皮し、「結果は、各社員の属人的な努力の積み重ねではなく、会社が定めたプロセスの延長上にある」という考え方にシフトしていくことが求められているのです。


(2009年09月25日)

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