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コラム

成果主義の崩壊

 バブル崩壊以降、従来の日本のやり方の限界が指摘され、年功序列に代わる新しい評価制度として、成果主義が導入されました。社会経済生産性本部や日経ビジネスオンラインの調査結果によると、現在では日本企業の8割以上が成果主義を導入していると言われています。

 しかしながら、必ずしもうまく機能していないのが実態で、成果主義に対する様々な問題点が指摘され、一部または大きな改善が必要とされるのは導入済み企業の8割以上と非常に高い割合を占めています。

 例えば、1993年から日本企業の先陣を切って成果主義の導入を開始し、その先進的な経営姿勢が注目を浴びた富士通は、2004年の年頭に成果主義の失敗を認めて多くの企業の人事関係者に衝撃を与えました。

 富士通では、現在では結果だけでなく仕事のプロセスも評価の対象に加える見直しがなされています。

 その後、2006年には三井物産が成果主義を撤回、利益という結果ではなく、チームワークなどのプロセスの評価を軸にした新制度に切り替え、資生堂も2008年から売上ノルマを撤廃して顧客満足度を評価する方式に切り替えるなど、成果主義を見直し、会社の業績と社員の仕事への意欲を両立させようとする動きが広がっているのです。

 成果主義の考え方自体は、決しておかしなものではなく、正しく運用されれば評価の公正・公平感が高まり、社員のモチベーションアップ、ひいては企業の業績アップにつながるはずなのですが、何がいけないのでしょうか?


(2009年10月03日)

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