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コラム

アファメーションのもたらす効果

 

アファメーションとは?

 

前回コラムでは「ネガティブ思考に負けないプロセス思考」を紹介し、その具体的な実践例として、車いすテニス国枝選手の「不安を取り除くルーティン」「ポジティブでシンプルな決め言葉」(キラーフレーズ)を紹介しました。

 

キラーフレーズを唱えるというと精神論っぽいので、今回はその心理学的根拠である“アファメーション”のもたらす効果を紹介しながら、不安を取り除き自分を奮い立たせるキラーフレーズの見つけ方と実践ポイントについて解説します。

 

なりたい自分になるために、肯定的に断言する自己暗示のことを、「アファメーション」といいます。ポジティブな言葉を使うことで、なりたい自分を実現するマインドセットのひとつです。(英語のスペルはaffirmationで、直訳は「肯定」や「断定」という意味)

 心理学でいうと自己成就的実現

 

アファメーションは、心理学用語で“自己成就的実現”とも呼ばれます。アメリカの社会学者ロバート・K・マートンが提唱した理論で、根拠のない噂や思い込みであっても、人々がその状況が起こりそうだと考えて行動することで、その時点では事実ではない状態が本当に実現することを指します。

同じくアメリカの社会学者WI・トマスが説いた「もし、人がある状況をリアル(現実)であると捉えたなら、それは結果においてリアルである」というトマスの定理を基に展開された理論です。

 

アファメーションのもたらす効果

 

小難しい理論を持ち出さなくても、日本では「言霊」という言葉がありますね。悪いことを言っているとそれが実際に起こってしまう、という教えは誰もが聞いたことがあるのではないでしょうか。

自己成就的実現の理論では、悪いことだけでなく良いことでも当てはまるので、アファメーションはこれをポジティブな方向で活用しようとするものです。

 

「人間の思い込みや普段の言動は、知らない間に自分や周囲の行動に影響を及ぼす力が意外にあるものだ」という考え方は否定できません。科学的に完全に証明することはできなくても、逆に絶対あり得ないと反証することも難しい内容です。

 

アファメーションのもたらす効果

 

たとえば、ビジネスやスポーツ、プライベートで目標を設定したとき、達成までの道は簡単ではありません。トラブルやうまくいかないことが起こり、不安やネガティブな気持ちに苛まれることは、一度や二度ではありません。成長する段階で、ネガティブな状態に陥るのは必然。ネガティブ思考の沼に引きずり込まれる可能性は誰にでもあります。

 

ネガティブ思考を取り除き、ポジティブ思考のスイッチを入れるために、頭に入れておきたいのがアファメーションです。

アファメーションの効果はいくつかありますが、そのうちポジティブ思考に関係する3つを挙げておきます。

 

◎ポジティブ思考が身につく

ポジティブな考えが多くなり、ネガティブな心配を排除できる効果。ポジティブ思考や行動が習慣になると、苦しい状況でも心が折れにくくなり、ネガティブ ⇒ ポジティブの切り替えがうまくできるようになる。

 

◎能力を最大限に引き出す

自分が持つ本来の力を本番で発揮できる効果。気持ちがポジティブに保てるようになると、不安要素などに振り回されることが少なくなり、本来の力を最大限に発揮しやすくなる。

 

◎自信がつき物事がうまく回り始める

自己肯定感が高まり、正のスパイラルが回り出す効果。安定して自分の力を発揮できるようになると、良い成果が出やすくなる。結果として自信が高まる。プロセス思考で分析することで、再現性の高い成功体験が増え、自信がますます高まるポジティブループが回り始める。

 

アファメーションの実践ポイント

 

 なりたい自分へ導いてくれるアファメーションを実践するための具体的なやり方も紹介されています。「①宣言する言葉を決める」「②毎日繰り返し唱える」という2つの大切なポイントを、それぞれ3つのコツに分けてまとめました。

 

①宣言する言葉を決める

◎まずなりたい自分を頭の中で明確に描き、短く繰り返しやすいシンプルな言葉にします。短いテキストでも構いませんが、断定型の言葉やフレーズが、繰り返しやすいので良いようです。いずれにせよ、とにかくシンプルにすることが大切。

 

重要なのは、「願望ではなく断定」、「否定ではなく肯定」で表現するのがポイントです

願望ではなく断定。表現で言うと、「○○になりたい」ではなく、「〇〇だ」と言い切切ることです。国枝選手の例を借りると、「世界一になりたい」ではなく「自分が世界一」です。

否定ではなく肯定も要注意です。なぜなら、人の脳は“否定形”を理解しにくいからです。否定形の言葉を唱えると、脳には否定的な言葉だけが残り、意図とは逆の方向に意識が向かってしまうことが起こります。

 

◎さらに、自分がしっくりくる言葉を選ぶことも大事です。普段使わない借り物のような言葉は、違和感を覚えやすいので潜在意識への刷り込みを邪魔します。

 

②毎日繰り返し唱える

アファメーションの実践で大切なのは続けること。毎日続けて「自分の決め言葉」を繰り返すことで、潜在意識への刷り込みが強くなります。1日や2日やったところで何も変わりません。あきっぽい自分、どこかで効果を疑っている自分がいる場合、その弱さとの戦いです。

 

◎毎日唱え、小さな効果が見えてくると、ポジティブに行動できるようになります。行動が伴ってはじめて、効果を実感できるようになります。習慣づけられるように毎日時間帯を決めておくと続けやすくなります。自分の決め言葉を忘れずに唱えることを、毎日の習慣にしましょう。

 

言葉を声に出すのも重要です。自分の弱い心に言い聞かせるように、声に出して唱えます。頭の中で考えるだけよりも、声に出す方が記憶に残りやすくなります。意識の変化も起こりやすくなります。

たとえば、部屋やPCの必ず見て思い出せる場所などに貼り、事あるごとに言葉にすることで習慣づけることです。

 

自分なりの「キラーフレーズ」を考えて試してみてください。私の場は「今日はよい日になる。運を創り出す」というフレーズで効果を実感しました。

 ポジティブ思考が大切であることにはあまり異論はないと思いますが、その実践方法は様々です。手間のかかるやり方もありますが長続きはしません。

まずは、簡単にできるスモールスタートがおすすめです。何といっても8割はネガティブな思考なのですから。

 「信じる言葉」をポジティブに繰り返す。一度だまされたと思ってトライしてみてください。失うものは何もありません。

 

4回シリーズで「ポジティブ思考」について解説してきましたがいかがでしたでしょうか。

(1回目)「ポジティブ思考のシャワー効果

2回目)「ネガティブ思考の罠 ~ 思考停止に陥るな ~

3回目)「ネガティブ思考に負けないプロセス思考

4回目)「アファメーションのもたらす効果」

 

ポジティブ思考だけでなく、ネガティブ思考にもメリットがあります。そのバランスを取りながらビジネスに現実的に活かしてもらえればと思います。

 

(参考サイト)

アファメーションとは自分を幸せへ導く魔法 https://www.festaria.jp/journal/column/484

アファメーションとは?実施の効果や注意点、やり方のコツを解説 https://www.hr-doctor.com/news/management/engagement/management_harada-3

予言の自己成就とは https://jinjibu.jp/keyword/detl/1211/

 

今回も最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

「プロセス思考をビジネスに活かしたい」「プロセスの見える化を実践した」方は こちらからご連絡ください。

 

⇨ コラムへのご意見やご感想は info@flecrea.com 

 

 

()フリクレア 代表取締役

山田和裕


(2023年12月27日)

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