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コラム

『営業の正解』― 新しい本を出版しました

 

営業に正解があるのか?

 

『営業の正解』というタイトルを見て、違和感を抱く人もいるかもしれません。

「営業に正解などない」

「営業は属人的なもの」

「営業が100人いたら、100通りのやり方があっていい」

そう教えられ、その考えに染まってしまっている人にとっては、今まで信じていた常識が根底からくつがえされてしまうからです。

 

(図)1000人のトップセールスをデータ分析してわかった

営業の正解

https://www.amazon.co.jp/dp/4761276533/

 

試しに『営業の正解』というタイトルだけ伝えてどう感じるか知人に聞いてみたところ、違和感を覚える人、逆に、興味をそそられる人など意見が分かれました。整理すると、次の3つにまとめられるようです。

 

×営業に正解はないと思う

?キャッチーなタイトルのように感じるが、中身はガッカリ系ではないかと疑う

◎正解はないと思われているが、実はあると感じさせる

 

さて、あなた自身はどうお感じになるでしょうか・・・ 

「営業に正解はない」とタイトルに違和感を覚えた人にこそ、ぜひ本書を手にとっていただきたいと思います。

 

 

本書の概要と特徴

 

あなたの近くにいる「できる営業」。その人はなぜ「できる」のか。本人に秘訣を聞いてみても、意外と答えは返ってこないもの。実は「できる」理由は、トップセールスといわれる人たち自身もわかっていないことが多いのです。

そのため、「できる営業」のやり方は、人柄や立ち振る舞いといった表面的な部分に関する記述が多く、本当のことはよくわからないブラックボックスとされてきました。だから「営業に正解はない」という誤った常識が流布されているのです。その「黒歴史」が、いま変わろうとしています。

 

実は、業界・業種を超えて「できる営業」に共通する成功特性があります。

この本は、1000人以上のトップセールスにヒアリングを行い、そのノウハウを標準化・見える化して見えてきた成功特性 = “営業の正解”のエッセンスを48にまとめたものです。

 

「できる営業」と「できない営業」 のよくあるパターンを対比させながら、営業の悩みに答える形で正解を導き出しています。

また、豊富な事例や分析例を各項目の中に織り込んでいます。例えば、IT、自動車、保険、医薬、旅行、行政営業、機械、部品、建築、住宅、飲料、人材派遣、事務機器、飲食チェーン、総合物流などです。

 

フリクレア独自の手法である「3次元プロセス分析法®」を用いて、1000人の「トップセールス=できる営業」のやり方を、“標準化・見える化”。彼らに共通する成功特性  =  営業の正解を明らかにしました。

 

「結果がすべて」と言われてきた営業の世界は、実際は地道なプロセスの積み重ねであり、営業の仕事をプロセスに分解することで「営業の正解」が見えてきます。

言葉を換えると、本書は営業の仕事をプロセスに分ける“プロセス思考”で分析したものです。精神論や著者の個人的な経験・信念に基づく主観的な意見ではなく、トップセールスのやり方を“プロセス”という形で具体的に見える化した点が特徴的です。

 

全部で5章立てですが、営業になったばかりの新人はもちろん、さらなるステップアップを目指す人など、さまざまなレベルで使えるよう、初級編から中級編、上級編、そしてトップ・オブ・トップ編まで幅広く網羅しています。

会社では決して教えてくれない営業体系を学ぶことができます。

 

 

これからの営業はデータによるエビデンス重視

 

これまでの営業本は、「自分はこういうやり方で売って成功しました」という、著者自身の経験に基づくものがほとんどでした。属人性そのものです。

あるいは、セールストークやテクニックばかり強調するものも少なくありません。

もちろん、経験論やテクニックも大切ですが、営業の正解はそれだけでは語りつくせません。

 

このあたりの限界に読者も気づいています。従来の個人的な経験論や精神論寄りのアナログな営業本は売れなくなっているそうです。

そのため、科学的な考え方やエビデンス重視の本が好まれる方向にトレンドが変わってきています。ところが、その期待にそうエビデンスに裏付けされたロジカルな営業本はまだ多くはありません。

そこで、本書はエビデンス重視の傾向に合わせて、「プロセス思考のできる営業の正解」を経験論・個人の持論・精神論・根性論・抽象論ではなく、理論的・科学的に解説するように努めました。

 

 

組織的に営業力を上げたければ

 

と説明されても、まだ半信半疑かもしれません。書店に立ち寄った際に、試しに、目次の中から興味のある項目を2、3個選んでザっと目を通してみてください。

いくつかハッとするキャッチフレーズやヒントが見つかるはずです。新しい営業のヒントが見えてくるかもしれません。

 

もちろん、たいした正解が見つかなければ、そのまま本を書棚に戻してもらってかまいません。それは、あなたがすでに「できる営業」として実践してきた「当たり前のこと」が書いてあるからです。

 

でも、あなたのまわりの同僚や部下はどうでしょうか? もし周りにいる「迷える営業たち」を育てたいと考えているのであれば、「この本でも読んでみれば」とさりげなく渡してあげてください。

 

 

プロセス見える化の壁(出版の背景と課題)

 

今は正解がない時代です。片や、時間をあまりかけずに効率的に成果を出したいという、コスパ意識が強まってきています。

そんな中、「結果を出すためには、プロセスも大切ですよね」という話をして、頭ごなしに否定されることはありません。課題意識を持って取り組もうとしている人も多くいます。

ところが、いざ実行に移そうとすると、わからない人には何度説明してもその本質がわかってもらえないのです。つまり「プロセス見える化」という考え方とその大切さは、わかる人とわからない人がハッキリ分かれてしまうという点が悩みでした。

 

科学的な営業、仕事の標準化や見える化、プロセス評価などに課題意識がある人や、自分で試行錯誤してきた人には理解してもらえるようです。基本リテラシーが備わっているからです。

ただこれでは、相手を選ぶことになり、組織への浸透度が低くなります。どうやればもっと多くの人に理解しやすくなるのか? というのが自分自身の課題だったのです。

 

 そんな悩みを抱えながらも次の出版企画を検討していた時に、編集者に伝えた「できる営業には、業界・業種を超えて共通する普遍的なノウハウがある」というフレーズに興味を持ってもらい、出版にこぎつけることができました。自分自身の課題を読者と一緒に解決するチャンスをもらえたというわけです。

 

このヒントをもとに、「営業における見える化とはどういうことなのか? どうやって実践に活かせばよいのか?」という疑問に直接・間接的に答え、“見える化の本質”を難しい言葉を使わずにわかりやすく伝えるための本を書いたつもりです。 

読者の方が、「正解がないと誤解されている営業」について、もっと深く考えてもらうきっかけになれば幸いです。また、「見える化」というテーマの課題解決に少しでも貢献できればと考えています。

 

今度の新刊が『営業の正解』というタイトルに対する期待に十分応えられているかどうか自信はありません。正解はこれだけでは足りないと思います。反論もあるでしょう。違う考え方も大歓迎です。ぜひ意見交換させてもらいたいと思います。

出版社と一緒に創り上げた本の実力が試されるということで、身が引き締まる思いです。まずは真摯に読者の審判を仰ぎたいと思います。

 

 

今回も最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

自社の営業の正解を見つけたい、プロセス見える化に取り組みたい方は こちら からご連絡ください。

 

⇨ コラムへのご意見やご感想は info@flecrea.com 

 

 

()フリクレア 代表取締役

山田和裕


(2023年02月22日)

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